十勝の木のうつわ展

以下は佐々木要さんから十勝のうつわのはじまりについて伺ったお話です。
材木の会社で働くうちに木の凄みに出逢う。
木を挽くことが大好きになって、それにとどまらず仕事後、夜な夜な一人で器作りを始める。器の性質をもっと知りたい、もっと木に触れていたい、と思った。
そのうちに、挽きたての生の木を木ろくろで刳るとどうなるのか、と考える。
70年代後半のことで、グリーン材という言葉すらなかった時代。
北海道という土地柄、伝統工芸としての木工技法を知るすべもなく、まわりの仲間でも同じことに関心を持つ人はいなかった。
アメリカから、グリーン材などウッドクラフトの本を取り寄せ、独学で研究する。
木のうつわ作りの仕事をはじめるにあたって、材木屋の退職金を全て木材費に充てた。
とにかく木が大好きで、いつも触っていたい。形も厚みも手触りも。
本当に好きでないとこんなに続かない。